2018.09.13
空家となり誰も住まなくなった実家をどうするか
地方の都市を車で走れば意外と目につくのが売家の看板です。
家の周りも注意深く見るとやはり売家、売地の看板があります。
少子高齢化の時代、家が余ってきている中、実家が空き家になったらと思うと今から準備が必要です。
愛着のある実家
生まれ育った実家が誰も住まなくなって朽ちていくのをみるのは寂しいことです。
大学を卒業して、就職して家を出る。
一人暮らしをして数年、結婚をしているかもしれないですね。
そして、気がつけば両親も高齢になりいつのまにか実家に誰もいなくなる。
家は人が住むためのものですから、人が住まなくなった時からメンテナンスも大事になってきます。
定期的な手入れをしないとあっという間に傷んできて朽ち始めます。
昔の思い出に浸っているうちは良いですが、誰も住まなくなった家の管理は段々と負担となってきます。
できれば、そうなる前に実家をどうするか考えることが大事になります。
空家の対処法は5つ
空家をそのままにしておけないことは分かっていても、具体的にどうすれば良いかわからない、またどれだけの費用が必要かわからないことが不安です。
そのまま放置していても後々大きな負担となってくることははっきりしています。
そこで、空家となった実家に対して考えられるのは次の5つです。
空家となった実家に対してとりあえずできる5つのこと
1.売却する
2.貸す
3.自分で住む
4.誰かに無償で譲渡する
5.放置又は保留にする
売却する
もう使う予定がなければ売却する方法です。
後々の管理も必要ありませんし相続問題も起きにくくなります。
今は、誰が相続して実家を取得するするか、よりも誰も欲しくなく相続しない、または相続放棄するという事例も増えてきています。
古い家を相続で取得すると管理の問題や税金の問題など煩わしいことも増えてきます。
貸す
賃貸物件として人に貸す方法です。
毎月の家賃が入ってくれば大変ありがたいことです。
でも、やはり将来の相続に問題は残ります。
また、人に貸すためには家をリフォームする必要も出てきます。
費用も数万円程度なら良いですが、数十万円から数百万円となればその費用負担も大変になります。
家賃もいくらもらえるか、また、借り手がすぐに見つかるかどうかも心配です。
せっかくリフォームしたのに借り手がいなければ無駄なお金になりかねません。
自分で住む
自分で住むことができれば良いですね。
職場への通勤や子どもの通学の問題がなければ良い方法です。
誰かに無償で譲渡する
どうしようもなければ、現状のまま誰かにタダであげることも1つの方法です。
不動産を資産と考えて保有しているよりも、とても現実的な方法になります。
放置又は保留にしておく
要は、問題の先送りですね。
先送りにしたからといって問題が解決するわけでありませんが、自分自身や家族の状況が流動的で決めかねる時は、苦肉の策になります。
どの方法が一番良いかはそれぞれの状況によりますので、一概に言えません。
どの方法を取るにしてもやっておくべきことがあります。
空家問題が気になった時にまずやっておくべき事
法務局で謄本を取得します。
法務局とは法律に関わる様々な業務を行っているところで、不動産の登記に関することも行っています。
つまり法務局に行けば不動産の所有者や広さなどが分かります。
曾祖父や祖父の代から住んでいると、意外と相続登記がなされず、数十年前に亡くなった祖父の名義のままという事も珍しくありません。
家を売るにしても、人に貸すにしても、まず家の名義が誰になっているか、とても大事になります。
実際の所有者と異なれば本当の所有者の方の名義にする必要があります。
場合によっては親族が集まって話し合いをする必要があるかもしれません。
簡単に話が終われば良いのですが、最悪裁判になることもあります。
決して、脅すつもりはありませんが、不動産はこのようにとても煩わしいことも多く早めの対応が求められます。
専門家に相談する
実家をどうにかしたいと考えたら、不動産の専門家に相談するのが良い方法です。
直ぐにどうすると決める必要は全くありません。
でも、今実家がどういう状況で、どんな問題があるかを把握しておくことが、実家の空家問題を解決する第一歩です。
残念ながら不動産はほっておいても消えるわけではありません。
確実に相続の問題として残っていきます。
さらに言えば早めの対応が必要になってきます。
住宅建築コーディネーター 黒﨑博司